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国際教養大学

秋田空港のすぐ隣にあります。周囲は秋田杉に囲まれた森。
開学は2004年(平成16年)ですから、まだ十年も経ってません。
とはいえ、その大学が今、全国で最も注目を集めてます。

英語では"Akita International University"。"AIU"(エー・アイ・ユー)。
学部は国際教養学部のみ。定員は百七十五名。数十倍の志願者が殺到。
どうして片田舎の大学がこれほど人気を集めるに到ったのでしょうか?

その理由は抜群の就職率にあります。古くさい地方大・文系の場合、
就職先は地元の役所か教員に限られます。よそでは通用しません。

東京の一流企業への就職など夢のまた夢。学生にそんな覇気がなく、
教員の能力も低いまま。結果、地方大・文系では、教育学部が
幅を利かします。そして退屈な教員を再生産。雰囲気は沈滞。

けれどAIUの場合、学生会館に貼り出された内定先を見ると。

三井物産、キャノン、本多技研、三菱東京UFJ、
ソニー、新日鉄、日本郵船・・・

一流企業がズラリと並びます。しかも就職率は100%。人気の秘密はここ。
就職率だけではありません。AIUは画期的な試みを次々と実行。
一年生は全員、キャンパス内にある「こまち寮」で寮生活。勉強に
集中させます。寮入口には「勉強しない若者に未来はない」。

キャンパス内には学生宿舎もありますから、二年次以降、寮から宿舎に
移行することも可能。秋田市内に下宿したところで
通学に一時間もかかるだけ。

そもそも秋田市に何の魅力もありません。ならばキャンパス内に
とどまった方が能率的。しかも空港がすぐ近くにありますから、
東京、大阪、札幌、福岡が等距離。

秋田県が設立した公立大学・法人なのに、AIUは全国から学生を集めます。
秋田市からは遠くても空港からは近い。この有利さには
誰も気づきませんでした。

授業は全て英語。一年次は聞く、話すを含め、英語の徹底した学習が
義務付けられます。逃げることはできません。「英語を習う」のではなく
「英語で習う」。現在、日本の大学でこれを実践できるのはAIUだけ。
外語も上智もICUも「語学を習う」だけで「語学で習う」わけではありません。

AIUでは英語集中プログラム(EAP)と基盤教育(BE)で英語漬けとなり、
全面的な英語力を身に付けてから専門課程に入ります。

専門課程はグローバル・ビジネス課程(GB)と
グローバル・スタディズ課程(GS)。

英語でのプレゼンテーション。そしてディスカッション。
確かに、これで鍛えられた学生は企業のニーズに即応。

一年間の留学プログラム。AIU生は全員、世界のどこかの大学に留学。
留学先の選定、学費も大学が全面的にバック・アップ。有名大で見られる
ツマラナイ一般教養。身に付かない第二・外国語。
そのようなムダが一切ありません。

アメニティ(設備)も充実。秋田杉で作られた図書館は三百六十五日・
二十四時間ずっと稼働。図書館には「言語異文化・学習センター」。
さまざまな外国語の自習施設が完備。教材もCDやDVDなど多種多様。
英語以外の言語を習いたければ、ここへ来ればいいわけです。

AIUの理事長・学長を務めた中嶋嶺雄(なかじま みねお)。
画期的な大学運営は、ひとえに中嶋学長の手腕によるもの。

外語・学長だった中嶋。けれど外語で頑迷な教授会の反対にあい、
まともな改革もできませんでした。マスコミにもよく登場してた中嶋学長。
嫉妬深い教員の間で支持を集められません。
数年で学長の座を降ろされます。

AIU発足時、そんな中嶋に白羽の矢が立ちました。外語での経験から、
愚かな教員と視野の狭い学生にウンザリしてた中嶋。
二の足を踏みます。けれど。

全面的にお任せします。思い切りやって下さい。

大学側からのオファー。外語では果たせなかった大学改革を、
中嶋は一からやってみることに。新設大学だったことにより、
無意味なしがらみもなく、中嶋の先見性と実行力が隅々に発揮。

当たり前のことが当たり前に実行されていく風景。
中嶋にとって爽快だったでしょう。

何の実績もないけど、面白そうな大学。おっかなビックリで入学してきた
学生も、中嶋学長のやる気に触発されます。有名大に入学した学生は、
ボンクラ教員の無意味な授業に失望し、サークルだのバイトだの、
愚にもつかない時間潰しに没頭。蜃気楼を見つめ続けた挙句、
プライド以外、何も身に付けられずに終わります。

けれどAIU。「英語で習う」ことの難しさを知ってればこそ、第二・外国語など
やめ、英語だけを集中的に鍛え、その後、専門課程で「英語で習う」を実行。
結果を出しました。ホンとは、こういう発想は外語がいち早く持ち、
採用すべきものでした。

けれど外語では無能教員が、昔ながらの訳読にしがみつき、
批判力ない学生も、それに何の疑問も持ちません。女子ばかりが増え、
外語の質低下は目をおおうばかり。外語はドンドン時代から取り残され、
今に到ります。改革を実行しようとした中嶋学長すら、
追い出してしまいました。

結果、府中にある外語。建物だけキレイで中味は無残。学生は専攻語すら、
ろくすっぽ話せないまま、単位だけ取って卒業。就活でも、その薄っぺらさは
面接官に簡単に見抜かれ、以前なら楽勝だった総合商社への入社も苦戦。

就職できない女子学生が、行く場所もなく、ドンドン外語・大学院に進学。
けれどモラトリアムが長引くだけ。大学に残る資質もありません。
最後の最後で、それまでいい顔をしてた指導教員が引導を渡し、
学生を放り出します。

堕落してるのは外語だけではありません。AIUの大躍進を見て、
全国の大学が危機感を感じてます。東大は秋入学を発表。京大は
一般教養の廃止を決定。けれど相変わらず、こういう大学では
教授会の「学問の自治」に反対され、身動き取れません。

例えば、東大・秋入学。その後、どうなったのでしょうか?
言うだけ言っといて、後はほったらかし?

いつから秋入学になるかをアルバイトの東大生に聞いても
「私たちも分からないんです。」情けない限り。

中嶋学長は今年二月に亡くなりました。AIUでは大学葬を行い、哀悼。
学長、理事長のポストは当分、空白に。

欺瞞と怠慢に毒され、どうしようもない日本の大学界。
そこに風穴を開けた中嶋学長。AIUの今後の使命は大きいでしょう。

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進学校とAIU

ふと疑問に思ったんですが、開成や筑駒、灘といった進学校ではあまりAIUに進学したとか、AIU志願者が多いという話を聞いたことがありません

AIUは語学がメインなので、法学や経済が勉強したい子は東大なり一橋に行くのでしょうが、それでも就職実績からしてAIUに進学するメリットは多いにありそうですが、進学校ではあまり好まれていない気がします

近場の大学に進学する子が多いのはわかりますが、進学校の子達が進学しない理由があるのでしょうか?
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